初期化したパソコンから失われたデータを簡単に復元する方法
誤ってパソコンを初期化して大切なデータが消えてしまった場合でも、適切な方法を使えば復元できる可能性があります。この記事では、初心者でも簡単にWindowsパソコンから失われたデータを復元する方法を解説します。大切なデータを取り戻したい方、ぜひご覧ください。
初期化したパソコンからデータを復元することは可能か?
パソコンを初期化したら、大切な写真や書類がすべて消えてしまった……」という経験をされた方は意外と多いかもしれません。Windowsの「このPCをリセット」機能は、動作の不具合やウイルス感染などを解消するのに便利ですが、事前に十分な準備をせずに実行してしまうと、大切なデータも一緒に削除されてしまうリスクがあります。
しかし、安心してください。パソコンを初期化したからといって、すべてのデータが完全に消えてしまうわけではありません。
たとえば、「すべて削除する」で初期化しても、多くの場合、データはまだパソコン内に残っていて、見えなくなっているだけです。簡単に言えば、ファイルそのものはしばらく残り、「目次」が消えた状態になっているのです。
この状態なら、HDD(ハードディスクドライブ)ではデータ復元ソフトで、写真や書類を取り戻せる可能性があります。
一方、SSD(ソリッドステートドライブ)では削除データが自動的に上書きされやすく、復元が難しいこともありますが、完全に消えたとは限らないので、試す価値はあります。
ただし、初期化時に「データのクリーニングを実行する」オプションを選んだ場合は注意が必要です。この設定では、データが意図的に上書きされるため、復元は非常に困難または不可能になる可能性があります。
初期化されたデータの復元率を高めるためのポイント
パソコンを初期化した直後に「大切なデータが消えてしまった!」と気づいた場合、その後の対応が復元の成功率を大きく左右します。以下のポイントを押さえておけば、データを復元できる可能性を少しでも高めることができます。
● 1. パソコンの使用をすぐに停止
初期化後にパソコンを使い続けると、新たなデータが消えたファイルの場所に上書きされてしまい、復元の可能性が大きく下がります。
● 2. 別のデバイスから復旧ツールをダウンロード
復元ソフトを初期化済みのパソコンに直接インストールすると、データが上書きされるリスクがあります。 可能であれば、別のPCやUSBメモリを使って復旧ツールを準備し、そこから実行しましょう。
以上のポイントを確認したら、次に紹介する方法でデータ復元を試してみましょう。
方法1:データ復旧ソフトAOMEI FastRecoveryで初期化後のデータを復元する【初心者向け・推奨】
初期化後のパソコンから消えてしまったデータを自分で復元したいなら、専用のデータ復旧ソフトの利用が最も手軽で効果的です。
なかでも「AOMEI FastRecovery」は、初心者でも簡単に操作できることで人気のツールです。
AOMEI FastRecoveryは、初期化、フォーマット、誤削除など様々なデータ損失シナリオに対応します。写真、動画、文書など幅広いファイル形式をサポートします。
スキャン方法は「クイックスキャン」と「ディープスキャン」の2種類があり、わずか数秒〜数分でファイルを見つけられることが可能です。
最も大切なのは、スキャンと復元中に失われたデータにさらなる損傷を与えないことです。たとえデータを復元できなくても、元のデータがさらに壊れてしまうことはないので、安心して試すことができます。
復元したいデータが上書きされないようにするためには、AOMEI FastRecoveryをUSBメモリや外付けHDDなどの外部デバイスにダウンロード・インストールして使用するのがおすすめです。
手順 1. 初期化されたドライブをスキャン
AOMEI FastRecoveryをUSBメモリや外付けHDDにダウンロードし、インストールして起動します。マウスを初期化されたドライブに移動し、「スキャン」をクリックします。
手順 2. 検索範囲を絞り込む
AOMEI FastRecoveryは自動的に復元可能なデータをスキャンします。
✍ヒント:復元するファイルをより速く見つけたい場合、「フィルター」を利用することができます。この機能を使えば、種類、サイズによってファイルをフィルタリングすることができます。また、ファイル名や拡張子を覚えている場合、検索バーで直接検索することができます。
手順 3. ファイルとフォルダを復旧
復元したいファイルおよびフォルダを選択し、「復旧」をクリックし、保存場所を選択して復元します。復元したいファイルが見つからなかった場合、左下にある「ディープスキャン」をクリックし、ディープスキャンを行ってください。
- スキャンの完了を待たずに、ファイルを復元することができます。
- 他のドライブを保存先として選択してください。ファイル/フォルダを元のドライブに復元すると、復旧可能なファイル/フォルダの領域が上書きされ、データ復元に失敗する可能性があります。
方法2:Windows File Recoveryを使ってコマンドで復元する【中・上級者向け】
お使いのシステムがWindows 10(バージョン2004以降)とWindows 11で、少しパソコン操作に慣れている方であれば、Microsoft公式の無料ツール「Windows File Recovery」を使って、コマンドラインからデータを復元する方法もあります。
ただし、このツールはGUI(マウス操作画面)がなく、コマンドプロンプトでの入力が必要なため、やや中~上級者向けです。
手順 1. Microsoft Storeを開き、「Windows File Recovery」を検索してインストールします。
手順 2. スタートアイコンを右クリックし、「コマンドプロンプト(管理者)」を選択します。
手順 3. では、復元コマンドを入力します。
基本構文:winfr ソースドライブ: 宛先ドライブ: /モード /スイッチ
例えば、初期化されたCドライブのJPG画像ファイルをDドライブに復元する場合、次のようなコマンドを入力します。
winfr C: D: /extensive /n *.jpg
- 「C:」=スキャン対象(初期化されたドライブ)
- 「D:」=復元先(別のドライブ)
- 「/extensive」=深いスキャンを実行
- 「*.jpg」=jpgは他のファイル形式に置き換えることができる
- もっと詳しくについては「Windows File Recoveryの使い方を詳しく解説」をご参照ください。
状況に応じてコマンドを作り、「Enter」キーを押して実行します。
手順 4. 「Continue?」が表示されると「Y」キーを押してスキャンと復元を確認します。
処理完了後、Dドライブ内に「Recovery_[日付]」フォルダが作成され、復元されたデータが保存されます。
方法3:プロのデータ復旧サービスを利用する
自分で復元を試みてもデータが取り戻せない場合や、ディスクが物理的に損傷している場合は、プロのデータ復旧サービスに依頼するのが有効です。
A1データやバッファローなどの信頼できる業者が、特殊な設備を使って初期化されたディスクや壊れたHDD/SSDからデータを復元します。無料診断を提供する業者を選び、状況を説明して見積もりを確認後、復元を依頼しましょう。
費用は数万円~数十万円かかる場合がありますが、高い成功率が期待できます。
まとめ
この記事では、初期化されたパソコンから失われたデータを復元するための3つの方法をご紹介しました。
復元を成功させるポイントは、初期化後にディスクの使用を最小限に抑え、早めに対処することです。初心者の方には、操作が簡単で扱いやすいAOMEI FastRecoveryの利用が特におすすめです。技術に自信がある方は「Windows File Recovery」のようなコマンドラインツールを試してみるのも良いでしょう。もし自分では難しいと感じた場合は、無理せず専門のデータ復旧サービスに依頼するのも賢明です。
データ復元後は、同じトラブルを繰り返さないよう、定期的にバックアップを取る習慣をつけましょう。外付けHDDやクラウドサービスを活用し、大切なデータをしっかり守ることが大切です。