本記事では、Windows 10 バージョン 22H2への更新が進まない場合の具体的な対処法や、万が一に備えたシステムバックアップを作成しておく方法をわかりやすく解説します。
2025年10月14日をもって、「Windows 10 バージョン 22H2」のサポートは終了しました。同日に配信された更新プログラム「KB5066791」が、Windows 10向けとして最後の更新プログラムとなります。
今後もWindows 10を安全に利用し続けるためには、拡張セキュリティ更新プログラム(ESU)への登録が必要です。ESUを利用するためには、バージョン22H2に更新しておく必要があり、これにより1年間のセキュリティ更新を受け取ることが可能です(他の条件と登録方法についてはこちら)。
しかし、一部の環境では、更新プログラムの適用時にエラーが発生し、Windows 10 バージョン 22H2に正常に更新できないケースが報告されています。以下では、更新できない場合の対処方法について詳しくご案内します。
Windows 10 バージョン 22H2への更新が正常に進まない場合は、以下の手順を順にお試しください。
まずは、不要なUSBメモリや外付けハードディスクなど、周辺機器をすべて取り外してからPCを再起動してください。一時的なシステムエラーやドライバーの競合が原因で、更新が正常に進まない場合があります。
安定したネットワーク環境でなければ、更新プログラムを正しくダウンロードできないことがあります。有線LANや安定したWi-Fiに接続しているか確認し、VPNを利用している場合は一時的に無効化してから再試行してください。
システムドライブ(通常はCドライブ)の空き容量が不足していると、アップデートが完了しないことがあります。不要なファイルを削除するか、「ディスクのクリーンアップ」を実行して空き容量を増やしてください。目安として、20GB以上の空き容量を確保しておくと安心です。
1. 「Windows」+「E」キーを押してファイルエクスプローラーを開きます。Cドライブを右クリックし、「プロンプト」を選択します。
2. 「全般」タブでの「ディスクのクリーンアップ」ボタンをクリックし、削除するファイルを確認し、「OK」をクリックします。
Windowsに搭載されているトラブルシューティングツールを利用することで、更新に関する一般的な問題を自動で修正できます。
1. スタートアイコンをクリックし、歯車(設定)アイコンをクリックします。「更新とセキュリティ」→「トラブルシューティング」タブ→「追加のトラブルシューティングツール」をクリックします。
2. 「Windows Update」を選択し、「トラブルシューティングツールの実行」をクリックします。
システムファイルが破損していると、更新が失敗する場合があります。
1. 「Windows」+「X」キーを押すか、スタートアイコンを右クリックして、「コマンドプロンプト(管理者)」を選択します。
2. 次のコマンドを入力して「Enter」キーを押して実行してください。
sfc /scannow
完了後、PCを再起動し、再度アップデートをお試しください。
Windows Updateでエラーが発生する場合は、Microsoft公式サイトの「更新アシスタント」を利用して、手動でアップデートを行うことも可能です。
1. Microsoftの公式サイトにアクセスし、「今すぐ更新」をクリックして、Windows 10の更新アシスタントをダウンロードします。
2. ダウンロードした更新アシスタントをダブルクリックして開きます。
3. 「Windows 10更新アシスタント」ウィンドウが表示され、「今すぐ更新」をクリックします。
4. 互換性チェックが完了したら、「次へ」をクリックします。
5. 更新プログラムの準備が完了したら、「今すぐ再起動」をクリックします。
6. 更新プログラムの構成が完了するまでしばらく待ちます。
7. 構成が完了するとサインイン画面が表示されます。サインイン後に「Windows 10の最新バージョンに更新していただきありがとうございます。」と表示されれば、更新は正常に完了です。
Windows Updateの調整ミスが原因で発生した場合、Windows Updateコンポーネントをリセットすることができます。
ただし、これを行う前に、必ずシステム全体のバックアップを作成しておいてください。万が一トラブルが発生した場合でも、元の状態に戻すことができます。
これから、リセットする手順をご紹介します。
1. 「Windows」+「X」キーを押すか、スタートアイコンを右クリックして、メニューから「Windows Powershell(管理者)」または「コマンドプロンプト(管理者)」を選択します。
2. 次に、以下の各コマンドを1行ずつコピーして貼り付け、「Enter」キーを押して実行してください。
net stop bits
net stop wuauserv
net stop appidsvc
net stop cryptsvc
Del "%ALLUSERSPROFILE%\Application Data\Microsoft\Network\Downloader\*.*"
rmdir %systemroot%\SoftwareDistribution /S /Q
rmdir %systemroot%\system32\catroot2 /S /Q
regsvr32.exe /s atl.dll
regsvr32.exe /s urlmon.dll
regsvr32.exe /s mshtml.dll
netsh winsock reset
netsh winsock reset proxy
net start bits
net start wuauserv
net start appidsvc
net start cryptsvc
すべてのコマンドを実行し終えたら、PCを再起動して、更新できるかどうかを確認してください。
Windows 10を更新する際や、Windows Updateコンポーネントをリセットする前には、システムや重要なデータのバックアップを作成することが推奨されます。
特に、更新中にエラーが発生した場合や、予期せぬトラブルが起きた場合に備えて、事前にバックアップを取っておくことで、データの損失を防ぐことができます。
バックアップには、信頼性の高い無料ツールであるAOMEI Backupper Standardの使用がおすすめです。AOMEI Backupperを利用すると、システム全体を丸ごとバックアップでき、更新前の状態に安全に復元することが可能です。
定期的にバックアップを作成することで、更新トラブルだけでなく、ハードディスクの故障やサイバー攻撃など、あらゆるリスクに備えることができます。
1. AOMEI Backupper Standardをダウンロードし、インストールして開きます。「バックアップ」→「システムバックアップ」をクリックします。
2. バックアップの保存先をクリックして選択します。*システムが起動できなくなった場合でも復元できるように、USBメモリ、外付けハードディスク、NASなどの外部デバイスを保存先に指定することをおすすめします。
3. 「開始」をクリックします。
Windows 10 バージョン 22H2は米国時間2025年10月14日にサポートが終了しました。今後も安全に利用するには、拡張セキュリティ更新プログラム(ESU)の利用のために、PCを22H2へ更新しておくことが重要です。
更新がうまく進まない場合は、PCの再起動や空き容量の確保、トラブルシューティングツールの使用、手動での更新などを順に試してください。また、更新前にはAOMEI Backupperでシステムバックアップを作成しておくと、万が一の場合でもデータやシステムを安全に復元できます。
これらの手順により、安心してWindows 10 22H2への更新を行うことができます。