M.2 SSDをクローン後に起動しない場合の原因と対策

M.2 SSDにクローンを作成したのにパソコンが起動しない──そんなときは焦らず、原因を一つずつ確認しましょう。本記事では、クローン後に起動しない主な原因と、その解決方法をわかりやすく解説します。初心者の方でも、自分で問題を特定し、正常に起動させる手順を学べます。

By @Machi
最後の更新 2025年11月10日

M.2 SSDをクローン後に起動しない原因

HDDや古いSSDからM.2 SSDへ換装する際、多くの方が「クローン」を作成してデータをそのまま移行します。

しかし、クローン作業が一見正常に完了していても、新しいM.2 SSDを取り付けた後にパソコンが起動しないというトラブルが少なくありません。電源を入れても「Operating System not found」と表示されたり、Windowsロゴのまま止まってしまうケースもあります。

こうした問題は多くの場合、正しい手順で対処すれば解決できます。ただし、原因によって必要な対応が異なるため、まずは主な原因を確認しておきましょう。

1. 起動ディスクの設定ミス

クローン後、パソコンがまだ古いHDDやSSDを優先して起動しようとしている場合があります。BIOS(またはUEFI)の「起動順序」で、新しいM.2 SSDを最優先に設定しないと、OSが見つからず起動しないことがあります。

2. BIOSモードの不一致

クローン後、BIOSモード(Legacy/UEFI)がコピー元と一致していないと、Windowsの起動ファイルが認識されません。たとえば、元のディスクがUEFIモードでインストールされていたのに、新しいM.2 SSDをLegacyモードで起動しようとするとエラーになります。

3. クローンソフトでの設定エラー

クローン作業中に「システムパーティション」や「EFIシステムパーティション」が正しくコピーされていないと、起動情報が欠落し、OSを読み込めません。特に手動設定を行う場合や無料ソフトを使用した場合は、このエラーが起こりやすいです。

4. クローン中のデータ破損

クローンの途中でエラーが発生したり、接続ケーブルやSSD自体に不具合があると、コピーが完全に行われず、ブート領域が破損することがあります。

M.2 SSDをクローン後に起動しない場合の対処法

上記の4つの原因に対して、ここでは3つの代表的な対処法を紹介します。原因がはっきりしない場合は、以下の方法を順番に試してみてください。

1. BIOS/UEFIで起動順序を確認・変更する

クローン後のトラブルで最も多いのが、起動ディスクが正しく設定されていないことです。新しいM.2 SSDが正しく認識されていても、起動順序が古いディスクのままだとWindowsは起動しません。

1. パソコンの電源を入れた直後に、メーカーに応じたキー(例:F2、Del、Escなど)を連打してBIOS設定画面を開きます。

2. 「Boot(起動)」タブを開き、一覧の中で新しいM.2 SSDが一番上に設定されているかを確認します。もし他のドライブが上位にある場合は、M.2 SSDを最上位に移動させます。

3. 起動順序を変更したら、「F10」キーを押して設定を保存し、再起動します。

これで新しいM.2 SSDから正常に起動できる場合が多いです。

2. BIOSモードを切り替える

MBR形式のディスクは「Legacyモード」、GPT形式のディスクは「UEFIモード」で起動します。クローン元とクローン先でこの形式が異なると、起動ファイルが正しく読み込まれずにエラーになります。

1. まずはクローン元のディスクがMBRかGPTかを確認してください。

スタートボタンを右クリックし、「ディスクの管理」を選択して開きます。そして対象ディスクを右クリックし、「プロパティ」→「ボリューム」タブを開きます。「パーティションのスタイル」欄に「MBR」または「GPT」と表示されます。

2. クローン元とクローン先の形式が異なる場合は、BIOSモードを変更します。

パソコンを再起動し、メーカーのロゴが表示されたらすぐに「F2」「Del」「Esc」などのキーを連打してBIOS設定画面を開きます。「Boot」タブの「UEFI/BIOS Boot Mode」を開き、クローン先SSDの形式に合わせて「UEFI」または「Legacy」に設定します。

3. 「F10」キーを押して変更を保存して再起動し、M.2 SSDから正常に起動するか確認します。

🌟ヒント:

詳しい手順については「ブートモードをLegacyからUEFIに変更する方法」をご参照ください。

3. 完全なクローンソフトでクローンを再実行する

クローン作業が不完全だった場合、システムやブート情報(特にEFIシステムパーティションなど)が正しくコピーされていないことがあります。

このような場合、BIOSの設定をいくら変更しても起動できないため、信頼性の高いクローンソフトを使って再度クローンを作成するのが最も確実な方法です。

そこでおすすめなのが、AOMEI Backupper Professionalです。

このソフトは、システム関連パーティションを含めた完全なディスククローンに対応しており、MBR/GPTの異なるディスク間のクローンにも柔軟に対応します。また、「SSD 4Kアライメント」機能によって、クローン後のM.2 SSDの性能を最大限に引き出すことができます。

AOMEI Backupper

最高のディスク移行ツール
エラーを回避しながら効率的にクローンを作成

👀注意:

再クローンを行う際は、クローン元とクローン先のディスク容量に十分な余裕があることを確認しておきましょう。

クローン先のディスクは、クローン元の使用済み容量よりも大きければ問題ありません。

もし容量が足りない場合は、不要なアプリやファイルを削除するか、「システムクローン」機能を利用してシステムのみを移行することがおすすめです。

1. AOMEI Backupperをダウンロードし、インストールして起動します。ホーム画面で、「クローン」タブをクリックして、「ディスククローン」を選択します。

2. クローン元としてのディスクを選択して「次へ」をクリックします。

3. そして、M.2 SSDをクローン先として選択して「次へ」をクリックします。

👀注意:

クローン中にM.2 SSD上のデータがすべて上書きされるので、重要なデータがあれば事前にバックアップを取っておいてください。

4. クローン完了後、M.2 SSDの書き込み/読み込み速度を一層向上させるために、「SSD 4Kアライメント」にチェックを入れます。すべての設定を確認し、問題なければ「開始」をクリックします。

🌟そのほかのオプション:
  • セクター単位のクローン:古いディスクの1:1クローンを作成します。M.2 SSDの容量がソースディスクと同じまたはより大きいであることが必要です。
  • パーティションを編集:ターゲットディスクの容量がソースディスクと同じまたはより大きい場合、ターゲットディスクのパーティションサイズを調整できます。クローン完了後、ターゲットディスクに使えない未割り当て領域がないことを確保できます。また、必要に応じてここでターゲットディスクのパーティションスタイルを変更することも可能です。

5. ディスククローンの進捗状況が100%に達すると、「はい」をクリックします。

まとめ

M.2 SSDへのクローン後に起動しない場合でも、多くは設定の見直しや再クローンで解決できます。起動順序やBIOSモードを見直しても改善しないときは、AOMEI Backupperのような信頼性の高いソフトを使って再クローンを行うとよいでしょう。システム情報まで正確にコピーできるツールを使えば、M.2 SSDへの移行もより安心して行えます。